特許コラム

2011年11月 7日 月曜日

思いがけず

 11月3日の朝に伯父が亡くなり、お通夜と葬式でばたばたしていました。
 この年にもなると、身内の葬式というものも何度も経験していますが、それでも物寂しいことに変わりはなくて、ちょっとしみじみしてしまいました。
 
 仕事に関しては、中堅どころといいますか、少なくとも「若手」とは言えない年齢になった私も、こういう場所ではまだまだ「若輩者」の下っ端という感じです。
 で、下っ端らしく、亡くなった日の夜と、お通夜の夜に線香番などもやっていました。
 
 それはさすがに一人でやることではないので、従兄弟同士3人でやっていました。とはいえ、最初の日は3人のうち故人の息子は何かと大変だろうから寝ておいて下さい、となって、故人の甥にあたる私ともう一人とでかなり長い間、線香番をしていました。
 
 一緒に線香番をした従兄弟というのは、私より十一歳年下の男で、実際のところちゃんと膝をつき合わせて話をしたことがこれまで一度もありませんでした。
 これだけ年が離れていると、私が大学生の頃に彼は小学生です。私が就職すると親戚の集まりに顔を出す機会も激減するので、顔を合わせることさえなくなってきました。だから、正直、「たまにしか会わないでいると、いつの間にか大人になっていた」という印象です。
 
 彼のほうが大人になってからは、結婚式、葬儀、法事のような行事でしか顔を合わせないので、落ち着いてゆっくり話をすることもほぼありませんでした。年の近い従兄弟なら、もっと色々交流があったのかもしれませんが、これだけ年が違うとそうもいかない、というのは普通のことなのでしょう。
 
 でも、さすがに線香番を一緒にやるとなると、5,6時間という長時間にわたって枕元で一緒にいるわけです。そこで、随分色々な話をしました。
 昔の思い出話、「あのとき実は何を考えていた」というような暴露話、今の仕事の話、プライベートの話と。
 それがなんだかとても楽しかったです。やはり、この年になると、11歳の年齢差というのは随分小さなことになってしまうんですね。今までそれほど親しく交流していたわけではないとはいえ、知り合ったのは彼が産まれた直後とも言えるので、長い付き合いです。親戚に関しては共通の知人も多くなります。
 それに、なんだかんだ言っても、親戚なので「その場では何を言ってもいい」というような気分にもなりやすいです。
お互いに話は尽きず、異様な盛り上がりをして、思ってもいなかったような楽しい時間をすごすことができました。
 
 葬式は、もちろん「楽しい」ことではないのですが、そのなかで少しでも「楽しい時間」を過ごせたというのは、いいことだったと思うし、もしかしたらこういうチャンスを作るために「線香番」という習慣があるのかもしれない、とさえ思いました。

 そして、こういう風に世代の差も忘れて盛り上がれたというのも、お互い大人になったんだな、と思い、しみじみしました。


投稿者 八木国際特許事務所

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