特許コラム

2011年8月 8日 月曜日

企業経営に役立つ特許とは?

 最近は、暑さで更新も滞り、内容も薄くなってしまった本ブログです。夏に弱い小学生だった私も、大人になってそこを克服したつもりでいたのですが、年を取ったせいかここ数年でまた夏に弱いという状態に戻っているようです。
 
 そんなことはさておき。
 
 今度、とある場所で特許のレクチャーをやることになりました。まあ、それはオープンな集まりではなく、閉じた集まりなのですが。
 そこでのタイトルですが、色々と悩んだ挙句、
「企業経営に役立つ特許とは?」
としました。
 
 こういうタイトルで話をしようと思った理由はというと、「企業経営に役立たない特許」が世の中に多すぎる、と感じているからです。
 ま、こういうことを言うと、所長弁理士としては自分の首を絞める部分があるのですが、でも、誰かが言わなければならないことじゃないのか、という気がします。
 
 「特許の値打ち」についての「見積もり」は重要なことじゃないのか、と私は常々思っています。それは、経営における「経費」ともかかわるところですし。
 それなのに、ここの考え方は「今一つはっきりしない」という気がしないでもないです。「企業経営の役に立たない特許」に金をつぎ込んでいる会社は多いように思います。それは、「見積もり」をしていないからじゃないのか、とも思います。
 
 私はこのあたりは、費用対効果で考えるべきではないのか、といつも思います。
 一千万円の値打ちがある特許を取得するためなら、300万円をかけてもかまわないけれど、200万円の値打ちの特許に300万かけてはいけない、という。
 
 こう書くと「何を当然のことを」と思われる方も多いでしょう。
 でも、それをやる上でもっとも重要になる「特許の値打ち」を(アバウトでも構わないので)見積もる、という作業をどれだけの人がやっているのでしょうか。
 その見積もりが非常に難しいのは事実なのですが。でも、独断と偏見ででも構わないので、「見積もる」という習慣がなければ、特許の経費を「費用対効果」という観点で評価することはできない、と思います。
そして「見積もり」ができなければ、真に高い経済的価値を持つ特許も取れない、と思います。
 
 「とりあえず特許は取っておく」「特許をとっておいたらそれで商品は守られる」というあいまいな考えだけで、特許の具体的内容については深く考えない、という姿勢が日本企業の平均的な姿勢のように思ってしまいます。
 新聞や雑誌の経済評論家の言葉を見ると、「日本は知財によって技術を守らなければならない」と言っていますが、そんなことは二十年も前から言われていたことです。今更そんなことを言われても、「分かっているよ」としか言えない気がします。
 
 重要なのは、そんな理想的一般論ではなく、
「どうやって、知財によって技術を守るのか」
という具体的方法論であって、そのことについて具体的なことを言ったり書いたりしている人は極小であるように思います。
 そして、その具体的方法論の肝になるのは、結局、「特許の値打ち」の「見積もり」になるのではないか、と私は思います。
 
 そんなことを偉そうに書いたところで、私のような末端の一弁理士にできることは限られています。でも、折角の機会なのでそういう観点から話をしてみよう、と思うに至ったわけです。
 夏で弱っているので、その準備も滞り気味ですが、そろそろ頑張って本気で準備を始めるか、と思っているところです。


投稿者 八木国際特許事務所

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