特許コラム

2011年4月 4日 月曜日

経済が要求する「無理」

 私は、関西在住なので今回の地震による日常生活への影響はまったくありません。3月11日以前と以後とで日常生活は変化していません。
 そして、このような状況の中、新聞などで、
「地震による影響を受けていない西日本は通常のように生活をして、過剰な自粛もせず、お金を使って経済を回す必要がある」
ということを言われるわけです。
 
 いや、理屈は分かります。東日本の経済が停滞することが避けられないのであれば、西日本は経済を支える必要があるし、西日本まで自粛によって経済が低迷すれば、かえって悪いことになる、ということです。
 
 しかし。
 人間の感情としてそれは無理でしょう。
 いくら、日常生活が普通に送れているからといって、やはり「あの地震で大変な人が大勢いる」という状況で、はしゃぐようなことはできないです。
 でも、経済という観点から見ていると、そんな「無理」を言うわけですね。
 
 こういう「景気を良くするために推奨されること」について、「無理」を言われていると感じるときがあります。こういうことを言われると、「世の中、経済より大切なことは何もないのか?」といいたくなります。
 「経済をよくするため」という言葉は、もともとそれほど好きではなかったのですが、この地震でなおさらキライになっている面があります。
 
 確かに、金がなければ何も始まりません。日本の現在においても、金がなければ復興の計画などまったく進まないでしょう。
 その「金」のためには経済を少しでも良くすることが必要です。
 それは分かるのですが、そのために「西日本は色々なことを自粛するな」と言われても、人間の感情として難しいな、と思います。
 
 私は、かつて、「経済政策」については、どこかにものすごく頭が良くて「経済」の知識を持つ人がコントロールしているものだ、と思っていた頃がありました。しかし、「経済」というのは結局、何一つコントロールできず、こんな「無理」を言わなければならないようなものなのか、と思ってしまいました。
 
 最近、私自身の「経済学」というものへの信頼感がほぼなくなってしまった私だけに、このような状況でもついついこういったことを考えてしまうのでした。


投稿者 八木国際特許事務所

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