特許コラム

2011年1月12日 水曜日

優秀な弁理士

 昨日まで、重金属固定化処理剤事件について書いていましたが、諸事情で今日は他の話を。というか、今仕事がやや忙しいので、判決文をゆっくりと繰りながらブログを書く時間がないもので。落ち着いたら続きを書きます。
 
 で、優秀な弁理士とタイトルをつけたのですが。
 
 ブログのアクセス解析を見ていると、どのようなパスワードでこのブログにたどり着いたのかはある程度分かります。
 それを見ていると、「優秀な弁理士をどうやって見つけたらいいのか」とか「弁理士への不満がある」という方も多くおられるんだな、ということが分かります。そこで、今日はそこについて、皆があまり言わないことを書いてみようか、と思います。
 
 ほんとうに正直に私が思っていることを申し上げましょう。
 
 よく会社等の組織では、
「1~2割優秀な人がいて、1~2割全く仕事ができない人がいて、残りは普通」
ということが言われますよね。
 結局、弁理士の世界も同じことです。
 本当に優秀な弁理士なんて全体の1~2割ですし、更には1~2割程度は全く仕事ができない弁理士がいます。そして残りは「普通」です。
 
 何となく
「弁理士というのは資格試験を通った人の集まりだから、ほとんどの人はそれなりに優秀なんだろう」
と勘違いしておられる方もおられるかもしれませんが、それは完全な誤りです。
 
 だからこそ、企業の知財の方であったり、中小企業の経営者であったり、という方々は「どうやって優秀な弁理士を見つけて、その人に自社の仕事を担当させるか」
ということが重要な仕事である、と私は思っています。
 
 ここで重要なのは「優秀な弁理士」を見つけるということであって、「優秀な事務所」を見つけるではない、ということです。
 結局、弁理士の仕事は最後には個人の能力に帰する部分がほとんどです。特許事務所が組織を強化して全体のレベルを高めることに注力しても、「本当に優秀な弁理士は1~2割」という壁を破ることは不可能である、と思います。
 ですから、大事務所に頼むにしても、その事務所にいる優秀な弁理士に担当して貰うにはどうすればよいか考えるべきですし、優秀な弁理士を見つけるための努力を怠ってはいけない、と思います。
 
 多くの人は
「よく分からないから、とりあえず大事務所に頼んでおけば大丈夫だろう」
と思っているようですが、決してそんなことはないですよ。大事務所には必ず優秀な弁理士の方がおられますが、その優秀な方に担当して貰える確率は1~2割ということですから。
 ましてや、優秀な弁理士は忙しい、というのも会社組織と同じです。何もない状態でいきなり大事務所に仕事を依頼して、優秀な弁理士に担当して貰える可能性は低いと考えられるでしょう。
 
 「事務所弁理士の質が低い」と嘆く方がたくさんおられます。上に書いたような事情を考えると、そのような声も仕方がないかもしれません。優秀な弁理士に当たる確率なんてそんなに高いものではありません。
 でも、「事務所弁理士の質が低い」と感じたなら、それは「優秀な1~2割の弁理士に当たっていないということ」と考えて、それならば何とかして「優秀な1~2割の弁理士」を探すなり育成するなりしていくことが、重要なことではないかと思います。
 それができるかどうかが「有能な知財パーソン」であるか否かを分ける、という部分もあるように思います。
 
 と、この手のことを書くと私自身どうしても言い訳せずにいられないことが。
 こういうことを書くに際しては「自分のことは棚に上げる」という姿勢が重要になります。そうしないと何も書けなくなりますので。
 開き直って言いますが、ここの文章において「じゃあお前はどうなんだ」というツッコミはナシでお願いします。


投稿者 八木国際特許事務所

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