特許コラム

2010年12月 2日 木曜日

(屁)理屈の世界

「このコーナーでは立ち読みをしないで下さい」
 
 この前、本屋に行ったとき、こんな貼り紙がありました。この貼り紙はマンガのコーナーにありました。
 これを見て、私はううむ、と思ってしまいました。
 
 なぜか。
 これを見た特許業界の人であれば、
「じゃあ、マンガ以外のコーナーでは立ち読みをしてもいい、ということですね」
と、たとえば雑誌コーナーでは立ち読みをしてもよい、という解釈をするということです。
 
 雑誌コーナーでも立ち読みしてはいけないのなら、「立ち読みしないで下さい」と書けばよいだけのことであり、「このコーナーでは」の一言は不要になります。かえって「このコーナーでは」とつけたことで、「その他のコーナー」では立ち読みしてもよい、ということが強調された感さえあります。
 
 でも、この貼り紙を書いた人はそこまでは考えていなかったと思います。マンガのコーナーで立ち読みして欲しくないと思ったからそう書いただけで、他のコーナーでは何時間でも立ち読みしてもいいですよ、ということが言いたかったはずはありません。
 
 まあ、日常生活においてこういう貼り紙を見たからといって、延々と立ち読みするのは褒められた態度ではないですが、特許の世界ではこういう解釈をして、「そんな貼り紙をする奴が悪い」という言い方をするわけです。
 法律というのはずいぶんと意地が悪い世界です。
 
 特許の仕事をされている方は、日常生活ではそんな意地悪はしないでいいですが、仕事中はそういった意地悪な性格を発揮しなければならないということです。


投稿者 八木国際特許事務所

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