特許コラム

2010年11月15日 月曜日

弁理士試験


 今年の弁理士試験の結果が出ましたね。
 合格された方、お疲れ様でした。
 
 という以上に何も言葉が出てこないのは何故なのでしょうか。
今年弁理士試験に合格された方の置かれた状況は、私が弁理士試験に合格した頃とは何もかもが違っているので、なんと言ってよいのやら、という気分です。
 新しく弁理士になられる方へのアドバイス、といっても残念ながら思いつくことが全くないです。
 
 が、一つだけ。
 弁理士になられたら、好きなようにして下さい。自分が正しいと思うこと、自分がやりたいと思うことをやって下さい。
 そんなことできっこない、と思うかもしれません。
 好きにやってその結果失敗したらどうするんだ、っておっしゃるかもしれません。
 
 でも、「じゃあ、どうやれば好きにやって、やっていけるのか?」とだけは質問しないで下さい。
 好きにやるというのは、どうやってやるのかを全部自分で考えるということでもあります。もちろん、会社や特許事務所に勤めていれば、「組織の論理」で動く部分が非常に多いですから、「好きなように」やることは難しいと感じる場面もあるでしょう。
 でも、だからといって、どうすればいいのか人に質問するということは、「好きにやっている」ことにならないでしょう?
 
 「資格を持っている」というのは、自分の心のなかにほんの少しだけですが、「自由」の空気を感じられるということでもあるように思います。言い換えると、(独立しない限りは)本当にただそれだけ、という気もします。
 
 あとは、自分で考えて下さい。
 何しろ、今、これだけ弁理士の数が増えているわけです。「人から言われたようにやる」というだけだったら、資格を取ったところで先の人生なんて何も開けてきません。
 私も、これから先、自分の好きなようにやっていくつもりですし、その点に関しては今年合格された皆さんと大して変わりない立場です。
 
 「そんなこといって、独立して自分の事務所を構えられるようになったから、簡単に自由なんてことを言えるんでしょう」
 
 そんな言葉が聞こえたような気がします。ダメですよ。そんなことを言っては。少なくとも、弁理士になったことで人生を変えたいと思っているのなら。
 
 エーリッヒ・フロムに「自由からの逃走」という極めて有名な著作があるそうですね。
 いや、私はこの本読んでいませんが。でも、タイトルとネットで見る概要で、少しは内容が予想できます。
 つまりは、そういうことです。
 あとは、自分で考えて下さい。


投稿者 八木国際特許事務所

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