特許コラム

2010年6月28日 月曜日

論理的思考について(よい弁理士とは?②)

 弁理士は論理的思考ができる人でなければなりません。以前の「よい弁理士とは」というブログの中で、よい弁理士の条件として「論理的思考ができる」ことを挙げました。特許というのは「情」よりも「理屈」の世界ですから、理屈をうまく立てられる人でないと、仕事になりません。
 では、論理的思考とは何かということですが、これがなかなか説明の難しいことです。
 
 特許の世界の「論理的」というのは、普段、研究や開発をしている人が言うところの「論理的」ということとは、かなり違うことのように思います。
 理系の論理と文系の論理は違っていて、研究開発の論理は理系の論理で、特許の論理は基本的に文系の論理なわけです。なにしろ、特許は「法律」の世界ですから。
 でも、特許で扱うものは理系の研究開発結果なので、弁理士は理系の論理も理解していないといけません。技術が理解できなければ、特許についていい仕事をすることは難しくなるでしょう。
 いうなれば、弁理士は理系と文系の思考の両方ができなければならないし、その二つをきちんと使い分けながら、仕事を進めなければなりません。
 
 そういう意味では、優秀な弁理士とは思考が柔軟で複数の思考パターンに対応できるような複眼的な人間ということかもしれません。
 ぱっと見ただけで、目の前の弁理士がそういう人なのかどうか判断する、というとなんか難しそうなことになってしまいます。
 
 しかし、あまりにも偏屈で人の話を聞かず、他人のことを考えない自己中心的な人はそういう複眼的な思考は難しいのでは? という気がします。そういう意味では、冷静で感情的にならずに相手の立場を考えて人と接することが出来る人である、というのは重要な要素に思えます。
 更に、私がかつて法律の本を読んだとき、その最初のところに、
「優れた法律家というのは常識人である」
というようなことが書いていたことを覚えています。研究者や芸術家とは違い、法律家というのは、奇矯な人であってはならない、と。
 うまく説明できませんが、説得力のある言葉です。

 ということで、「論理的思考ができる人」は冷静で常識人っぽい人であること、というのが分かりやすい基準になるのかもしれません。

 
 なんかあれこれと書いた割には、ありきたりな結論ですね。
 しかし、特許を弁理士に頼むときは、「よい弁理士を捕まえられるかどうか」というのがかなり重要になります。ですから、「つまらない結論」などといわずに、こういう基本的なところから弁理士を見極めるよう、頑張ることも重要ではないかと思います。
 
 それにしても、こんな記事を書いてしまうと、「じゃあお前はどうなんだ」という自分で自分に突っ込みを入れてしまうわけですが、以前と同じように、「自分のことは棚に上げて」書かせていただきました。




投稿者 八木国際特許事務所

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